基本情報技術者試験 第9章「企業と法務」 – よく出る問題と抑えておきたいポイント

こんにちわ、佐藤です。
 
今回は、基本情報技術者試験、第9章企業と法務になります。この章はストラテジ系に分類され、第7章のシステム戦略、第8章の経営戦略と法務と合わせて20問出題されます。
 
問題の傾向もよく読めばわかる問題が多く、わからない単語がない状態でのぞめば比較的簡単に回答できますので、確実に抑えていきたいところです。

今回の内容

今回は、幅広い対象範囲の中、企業と法務に焦点を当てて、書いていきます。
 

  1. 抑えておきたいポイント
  2. 抑えておきたい単語
  3. よく出る問題

 

試験範囲の詳細

  1. 第1章 基礎理論
  2. 第2章 コンピュータシステム
  3. 第3章 技術要素
    データベース
    ネットワーク
    セキュリティ
  4. 第4章 開発技術
  5. 第5章 プロジェクトマネジメント
  6. 第6章 サービスマネジメント
  7. 第7章 システム戦略
  8. 第8章 経営戦略
  9. 第9章 企業と法務

この章は企業活動、経営管理、経営組織のあらましを理解し、経営環境の変化、課題・企業におけるコンピュータリテラシの必要性、有用性について理解を深める必要があります。
 

企業活動

企業は、経済的機能、営利活動、所有と経営の分離、市場での独立性などの多面的性質をもつ有機的な組織体であることを理解する。またヒト、モノ、カネ、情報に対する管理の重要性を理解する。
 

経営組織

代表的な組織構造の種類と特徴、経営者の職能、役職を理解する。

CEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者) 企業の所有者である株主の信認により、経営の最高責任者として決定権を委任された存在で、企業策略の策定や経営方針の決定など、企業経営における意思決定の責任を負います。
CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者) CIO(Chief Information Officer、最高情報責任者)とは、情報や情報技術に関する上位の役員のことで、経営戦略を実現するための情報戦略やIT投資計画の策定及び実施を主導する職務です。情報システムを統括する最高責任者であり、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)を補佐し、全社的視点から企業の情報戦略の策定に当たるのが主な責務となります。
CTO(Chief Technical Officer:最高技術責任者) 自社の技術戦略や研究開発方針を立案、実施する責任を負います。
COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者) COOのひとつめの「O」はオペレーション、すなわち、業務を執行することを意味しています。業務の執行にはCFO(最高財務責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)など複数の責任者がいますが、これらの責任者を統括して、企業全体の業務執行の責任を負うのがCOOの役割です。

 

OR・IE

QRとは、業務分析、経営分析、問題解決などに利用される科学的・数学的手法、IEとは経営効率を向上させるために経営資源(人、物、金、情報など)を統合的システムとして設計すること。

ABC分析 重要度や優先度の高い要素・項目を明らかにするために行われる分析手法です。パレート図を使って分析する要素・項目群を大きい順に並べて、重要度をA、B、Cの3つのグループに分けることで、重点的に管理すべきグループが明らかになります。Aグループの商品群を優先的にしっかりと在庫管理していきます。
OC曲線 製品の抜き取り検査をする際のロットの不良率とそのロットの合格率の関係を表したものです。|nおよびcを固定とした場合のロットの合格率(p)を縦軸に、実際のロットの不良率(q)を横軸に取り、pとqの関係を表します。
パレート図 値が降順にプロットされた棒グラフとその累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。重要な不良や問題点を発見するのに使用します。
ヒストグラム データを幾つかの項目に分類し、横軸方向に大きい順に棒グラフとして並べたものです。累積値を折れ線グラフで描き、主要な問題点を把握します。
散布図 2つのデータ間の関係性、特性の関係(相関関係)を見るのに使用します。

 

知的財産権

ソフトウェアなどの知的財産の重要性が増し、開発、流通が盛んになっていく中で、開発者の利益を守り、市場で適正利潤を得られるようにするための法律の整備が進められていることを理解する。

特許権 特許権は、発明について特許庁に特許出願をして、審査をクリアした後に登録することで取得することができます。 発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものを指します。
実用新案権 実用新案権は特許権と似ていますが、保護の対象が発明ではなく考案(いわゆる小発明)であることと、形式的な審査であることが大きな違いです。考案とは、自然法則を利用した技術的思想の創作を指します。
意匠権 意匠とは、物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合、建築物の形状または画像であって、視覚を通じて美感を起こさせるものを指します。
商標権 商標とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩またはこれらの結合、音その他政令で定めるものであって、1.業として商品を生産し、証明し、または譲渡する者がその商品について使用をするもの、2.業として役務を提供し、または証明する者がその役務について使用をするものを指します。
著作権 著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものを指します。

 
以上、抑えておきたい項目でした。

今回の文章題の中でさりげなく使われる略称や単語に注目してみました。知っていることが前提で出題されるので、要チェックです。

CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)

企業が利益至上主義に傾倒せず、市民や投資家などのステークホルダー、そして社会全体に対しての責任を果たすべく、戦略を持ち自発的に行動を起こすこと

IR(Investor Relations:投資家向け広報)

企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動

PL法(製造物責任法)

製造物責任法とは、「製造物」の「欠陥」が原因で、他人の生命・身体・財産に損害が生じた場合、製造業者等に損害賠償責任を負わせる法律です。
 
 
以上、抑えておきたい単語でした。

CIOの果たすべき役割はどれか。

 
ア:各部門の代表として、自部門のシステム化案を情報システム部門に提示する。
イ: 情報技術に関する調査、利用研究、関連部門への教育などを実施する。
ウ: 全社的観点から情報化戦略を立案し、経営戦略との整合性の確認や評価を行う。
エ: 豊富な業務経験、情報技術の知識、リーダシップをもち、プロジェクトの運営を管理する。
 

 

解答:ウ

ABC分析を適用する事例はどれか。

 
ア: 顧客が買物をしたときの購入商品の組合せを把握したい。
イ: 商品ごとの販売金額や粗利益額から、売れ筋商品を把握したい。
ウ: 商品の品切れを起こさないように、きめ細かな販売見込数量を把握したい。
エ: 地域ごとのオピニオンリーダにアンケート調査を行い、市場ニーズを把握したい。
 

 

解答:イ

損益分岐点の特性を説明したものはどれか。

 
ア: 固定費が変わらないとき、変動費率が低くなると損益分岐点は高くなる。
イ: 固定費が変わらないとき、変動費率の変化と損益分岐点の変化は正比例する。
ウ: 損益分岐点での売上高は、固定費と変動費の和に等しい。
エ: 変動費率が変わらないとき、固定費が小さくなると損益分岐点は高くなる。
 

ヒント
解き方としては、損益分岐点を求める公式に、当てはめて考えることで正誤を判断していきます。
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)

 

解答:ウ

著作権法に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 
ア: インターネット上に流れる情報は有形な複製物を介さずに流通するので、著作物の複製に関する規定は適用されない。
イ: 絵画などのアナログ情報をコンピュータ処理によってディジタル情報に変換する行為は、情報の質を変化させるので、著作権法でいう複製には該当しない。
ウ: 写真集に掲載された写真を無断で複製して自宅の居間に飾ることは、私的使用になるので著作権の侵害にはならない。
エ: 他人の著作物を無断で個人のホームページに掲載しても、だれからも参照されていなければ、権利の侵害にはならない。
 

 

解答:ウ

派遣元会社A社と派遣先会社B社が派遣契約を結び、A社は社員であるN氏を派遣した。労働者派遣法に照らして適切な行為はどれか。

 
ア: B社の繁忙期とN氏の休暇申請が重なったので、B社から直接N氏に休暇の変更を指示した。
イ: N氏からの作業環境に関する苦情に対し、B社は雇用関係にないので、対応はA社だけで行った。
ウ: N氏は派遣期間中の仕事に関する指示を、B社の担当者から直接受けることにした。
エ: 派遣期間中にN氏の作業時間が空いたので、B社は派遣取決め以外の作業を依頼した。
 

ヒント
労働者派遣法は、労働者派遣が適切に行われることを目的として制定された法律です。対象業務の範囲、派遣事業の種別、二重派遣の禁止、派遣元事業主や派遣先事業主の講ずべき措置などについて定めています。

 

解答:ウ

まとめ

お疲れさまでした。以上となります。
 
この章は配点が低いわりに各項目で覚える範囲が大変です。よくCIOの役割についてという問題がでるので、傾向を抑えて確実に点数を稼ぐことが大事です。
 
暗記内容が多いすが、試験までの辛抱なので詰め込んでいきましょう! それでは、また次回。
 
 
 
 
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