基本情報技術者試験 第7章「システム戦略」 – よく出る問題と抑えておきたいポイント

こんにちわ、佐藤です。
 
今回は、基本情報技術者試験、第7章システム戦略になります。この章はストラテジ系に分類され、第8章の経営戦略、第9章の企業と法務と合わせて20問出題されます。
 
問題の傾向もよく読めばわかる問題が多く、わからない単語がない状態でのぞめば比較的かんたんに回答できます。
 
この章は暗記がメインとなりますが、得点を重ねるのは比較的かんたんなので確実に抑えていきたいところです。

今回の内容

今回は、幅広い対象範囲の中、システム戦略に焦点を当てて、書いていきます。
 

  1. 抑えておきたいポイント
  2. 抑えておきたい単語
  3. よく出る問題

 

試験範囲の詳細

  1. 第1章 基礎理論
  2. 第2章 コンピュータシステム
  3. 第3章 技術要素
  4. 第4章 開発技術
  5. 第5章 プロジェクトマネジメント
  6. 第6章 サービスマネジメント
  7. 第7章 システム戦略
  8. 第8章 経営戦略
  9. 第9章 企業と法務

この章はシステム戦略と、システム化計画にわかれた章です。
 
前者は、情報システム戦略の目的、考え方、策定手順のあらまし、エンタープライズアーキテクチャなどの手法を中心とし、後者はシステム化構想の立案とシステム化計画の立案の目的、基本的な考え方、手順のあらましについて出題されます。
 

情報システム戦略

情報システム戦略とは、経営資源の1つである情報を有効活用するために立案される、経営戦略と具体的な中長期の経営計画のことを示しています。
 

エンタープライズアーキテクチャ

エンタープライズアーキテクチャとは、企業をはじめとする組織体において、組織の目的を効率よく実現するために、組織構造や業務手順、情報システムなどを最適化する手法。
 

ビジネス・アーキテクチャ 政策・業務の内容、実施主体、業務フロー等について、共通化・合理化など実現すべき姿を体系的に示したもの。
構成要素…業務説明書、機能構成図、機能情報関連図、業務フローなど
アプリケーション・アーキテクチャ 業務処理に最適な情報システムの形態を体系的に示したもの。
構成要素…情報システム関連図や情報システム機能構成図など
データ・アーキテクチャ 各業務・システムにおいて利用される情報すなわちシステム上のデータの内容、各情報(データ)間の関連性を体系的に示したもの。
構成要素…情報体系クラス図、エンティティ・リレーション図、データ定義表など
テクノロジー・アーキテクチャ 実際にシステムを構築する際に利用する諸々の技術的構成要素(ハード・ソフト・ ネットワーク等)を体系的に示したもの。
構成要素…ネットワーク構成図、ソフトウェア構成図、ハードウェア構成図など

IT投資評価における各フェーズでの実施内容

事前評価 実施前の投資案件に対して、内部の了解を得るとともに他のプロジェクトとの整合などの全体最適の観点から評価を行う。投資実行の可否を判断するための情報を提供する役割を担う。
中間評価 実施中の投資案件の実績をモニタリングし評価する。実施計画の軌道修正を判断するための情報を提供する役割を担う。
事後評価 実施済の投資案件が事前に設計した目的・効果を達成しているかどうかを評価する。IT投資の実施効果を上位マネジメントに報告するとともに、終結以後の改善策について判断するための情報を提供する役割を担う。

システム化計画

システム化計画とは、情報システム開発・導入における初期の工程の一つで、システム化する業務の内容を分析し、どのような情報システムが必要となるか、どのように開発・導入を進めるかなどの基本方針を策定する段階のこと。
 

共通フレーム2007とは

ソフトウェアの構想から開発、運用、保守、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じて必要な作業項目、役割等を包括的に規定した共通の枠組み

要件定義プロセスの流れ

  1. 制約事項の確認、利害関係者の識別
  2. 要件の識別
  3. 要件の評価
  4. 要件の合意と承認

代表的な非機能要件の例

品質要件 機能性、信頼性、使用性、効率性、保守性、移植性
技術要件 システムの実現方法、システムの構成、システム開発方式、開発基準、開発環境
運用・操作要件 システム作業手順、システム運用形態、システム運用スケジュール、システム監視方法、障害回復時間、災害対策、業務継続策、保存データ量、エンドユーザ操作方法
移行要件 移行対象業務、移行対象ソフトウェア、移行対象ハードウェア、移行手順、移行時期
付帯要件 環境設定、端末展開作業、エンドユーザ教育、運用支援

 
以上、抑えておきたい項目でした。

今回の文章題の中でさりげなく使われる略称や単語に注目してみました。知っていることが前提で出題されるので、要チェックです。

SOA(Service-Oriented Architecture、サービス指向アーキテクチャ)

SOAは、業務上の一処理に相当するソフトウェアで実現されている機能や部品を独立したサービスとし、それらを組み合わせ連携させることで全体のシステムを構築するという手法、またはそのことを指す言葉です。
 

ERP(EnterPrise Resource Planning)

ERPは、企業資源計画とも呼ばれ、企業全体の経営資源を有効かつ総合的に計画・管理し、経営の効率化を図るための手法です。これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェアを「ERPパッケージ」と呼びます。
 

RFP(Request for Proposal、提案依頼書)

RFPは、情報システムの調達を予定している企業・組織が、発注先候補のITベンダに対して具体的なシステム提案をするように求めること、またはそれらのシステム要件や調達要件を取りまとめた文書をいいます。
 
以上、抑えておきたい単語でした。

エンタープライズアーキテクチャの”四つの分類体系”に含まれるアーキテクチャは、ビジネスアーキテクチャ、テクノロジアーキテクチャ、アプリケーションアーキテクチャともう一つはどれか。

 
ア: システムアーキテクチャ
イ: ソフトウェアアーキテクチャ
ウ: データアーキテクチャ
エ: バスアーキテクチャ
 

 

解答:ウ

ソリューションビジネスからの出題

SOAの説明はどれか。

 
ア: 売上・利益の増加や、顧客満足度の向上のために、営業活動にITを活用して営業の効率と品質を高める概念のこと
イ: 経営資源をコアビジネスに集中させるために、社内業務のうちコアビジネス以外の業務を外部に委託すること
ウ: コスト、品質、サービス、スピードを革新的に改善させるために、ビジネスプロセスを抜本的にデザインし直す概念のこと
エ: ソフトウェアの機能をサービスという部品とみなし、そのサービスを組み合わせることでシステムを構築する概念のこと
 

 

解答:エ

システム活用促進・評価からの出題

企業が保有する顧客や市場などの膨大なデータから、有用な情報や関係を見つけ出す手法はどれか。

 
ア: データウェアハウス
イ: データディクショナリ
ウ: データフローダイアグラム
エ: データマイニング
 

 

解答:エ

システム化計画からの出題

共通フレーム2007によれば、企画プロセスで定義するものはどれか。

 
ア: 監査対象業務に精通した被監査部門の管理者の中からヒアリングの対象者を選ぶ。
イ: ヒアリングで被監査部門から得た情報を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。
ウ: ヒアリングの中で気が付いた不備事項について、その場で被監査部門に改善を指示する。
エ: 複数人でヒアリングを行うと記録内容に相違が出ることがあるので、1人のシステム監査人が行う。
 

ヒント
共通フレーム2007(SLCP-JCF2007)では、「企画プロセスの目的は、経営事業の目的、目標を達成するために必要なシステムに関係する要求事項の集合とシステム化の方針、及びシステムを実現するための実施計画を得ることである。」と説明しています。

 

解答:イ:

要件定義からの出題

非機能要件の定義に該当するものはどれか。

 
ア: 業務を構成する機能間の情報(データ)の流れを明確にする。
イ: システム開発で利用する言語に合わせた開発基準、標準を作成する。
ウ: システム機能として実現する範囲を定義する。
エ: 他システムとの情報授受などのインタフェースを明確にする。
 

ヒント
非機能要件とは、業務要件を実現するために必要なシステムの機能要件以外の要件のことで制約条件や品質要求がこれに該当します。

 

解答:イ

まとめ

お疲れさまでした。以上となります。
 
暗記ばかりの章ですが、ストラテジの問題は全体の25%が出題されます。ここを確実にとることでテクノロジ系の不安も解消できますので、しっかり覚えておきましょう!それでは、また次回。

基本情報技術者試験まとめ

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