梅雨明け間近! 夏本番にむけて固定買取価格制度(FIT制度)を学ぶ
こんにちは。グローバルエンジニアリングの落石です。
今回のテーマは固定買取価格制度、いわゆるFIT(Feed-in Tariff)制度になります。
2015年7月某日
登場人物紹介
バル男(男): エネルギー会社(グローバル)へ中途入社。1年目
リン子(女): エネルギー関連に通じており、バル男の指導係
バル男:
先月に比べて最近は夏っぽさが更に強くなってきましたね……。
リン子:
梅雨ももう終わるから晴れ間の日差しが厳しいわね。
バル男:
昨年は涼しかったけど、こうも暑いと需要も高くなりそうですね。
リン子:
そうね。昨年比で見ると今は契約電力が上がるお客様も少なくはないでしょうね。
でも電力会社で働く身としてはもう一つ気になる点があるんじゃない?
バル男:
もちろんですよ。ズバリ太陽光ですね。
リン子:
今回は察しがいいわね。
梅雨明けから発電量がドンと増えるから発電業者さんもここが本番といった感じでしょうね。
じゃあバル男くん。固定買取価格制度、いわゆるFIT (Feed -In Tariff)制度で、高圧太陽光の今年の法定調達価格はわかる?
バル男:
初年度認定設備が40円、次年度36円、昨年が32円、-4円/年の流れなので28円ですかね?
リン子:
残念。今年の認定は6月末までが29円、7月からが27円と二段階構成になっているの。
初めの3年程度は、導入加速などのために優遇措置として当初から盛り込まれていたの。
バル男:
なるほど。移行期間が若干はあるけれど、最終的に27円。昨年度比5円下がることになるんですね。
リン子:
ほかにも今年に入ってからの見直しがいくつかあって、一部太陽光発電設備には出力制御装置の設置の義務化、あとは私たちのような電力会社に対する回避可能費用の見直しね。
バル男:
回避可能費用の見直しですか。
リン子:
回避可能費用の見直しは、私たち電力会社にとっては悩ましい話ね。
最近よく話題に出ていた私たちのような新電力会社が、一般電気事業者に代わって太陽光発電事業者から、発電された電気を購入する話があったじゃない?
バル男:
でも40円とか、36円とかの買取ですよね?
僕たち新電力の販売価格で事業は成り立つんですか?
リン子:
たとえば40円の設備認定の電気を買い取るのに対して、お客様への販売価格は大凡10円台よね?
単純にこれだけを見ると、とても事業は成り立たないのだけれど、買取先の電力会社には費用負担調整機関からサーチャージがあって、実質その全額を負担している訳ではないの。
バル男:
なるほど。費用負担調整機関という、賦課金の徴収・分配をしている機関ですね。
リン子:
そうね。そのサーチャジも考慮すると、比較的安価な電源として発電事業者から購入することで、事業が成り立つといった感じね。
ただし同じ条件であれば、発電事業者も一般電気事業者へ売電したくなるのが心情じゃない?
そこで新電力は自分たちに切り替えて頂けるよう、法定調達価格+αの金額で提案を出していたの。
バル男:
なるほど。それがどんな風に見直しされたんです?
リン子:
簡潔に言うと、電力会社の負担を増やす方向でのサーチャジ割合の見直しね。
それにより新電力が提案していた+αの部分の提示が難しくなったというわけ。
国として国民負担の軽減のためという措置ね。
バル男:
なるほど。その割には賦課金が上がりましたね。
リン子:
そうね 。ただそこに関しては今後の動静を見るしかないわね。
バル男:
なるほど。なんとなくFIT制度についてわかった気がします!
リン子:
もうしばらく勉強が必要ね、なるほど君。
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